tourette friends
トゥレット友の会
◇ トゥレット症(チック症)とは ◇
「トゥレット症」は複数の運動チックと1つ以上の音声チックが1年以上続く
脳の神経疾患であり、発達障害の1つです。
「トゥレット症」理解のためのプロモーションビデオ
- 2016年2月1日リリース ー (4分30秒)
これらの動きや声は単純チックのように突発的なものもあれば、
逆に複雑チックのように合目的にも見える一連の動きもあります。
また、その動きや声は意図的でないものもあれば、
チックを出したくないという感情とは裏腹に、意図的に発せずにはいられないものもあります。
それから、全ての人が感じるものではありませんが、身体の中で感じる感覚チックというのがあります。
1つは、チックが発現する前に感じるムズムズとした前駆的違和感。
もう1つは、チックとして発散させたいけれどもチックに至らず、
身体の中でチックが留まったような状態で衝動性のある感覚です。
これらのチックは、簡単に抑制することは出来ないため、生活に大きな支障をもたらします。
「トゥレット症(チック症)」Q & A
Q: チックとは何ですか?
A:チックは突発的で、素早く繰り返される不随意の運動(動きや声)です。
症状は千差万別、重症度も個々により差がありますが、いずれの場合も簡単に止めることは出来ません。
一過性のものもあれば、慢性的なものもあり、悪化、或いは緩和・寛解するなど経年変化します。
また、チックは脳機能の障害であり、DSM-5*では発達障害(神経発達症)に分類されています。
(*DSM5=米国精神医学会による精神疾患の診断・統計マニュアル第5版 )
Q: チックにはどんな種類がありますか?
A:運動チックと音声チックがあり、それぞれ単純チックと複雑チックがあります。
<チックの種類と主な症例>
Q:トゥレット症とは何ですか?
A:18歳未満で発症し、複数の運動チックと音声チックが1年以上続く慢性的なチックです。
Q:チックの原因は何ですか?
A:ドーパミンを中心とする脳の神経伝達物質のアンバランスの関与が指摘されており、
生物学的な機序のある脳の神経疾患です。
Q:トゥレット症はどれくらいの発症率ですか?
A:DSM5*によるとトゥレット症の推定有病率は学童期の子どもでも1000人あたり3~8人の範囲であるとされています。
Q:チックは、社会ではどのように理解され、患者サイドはどのような思いをしているのでしょうか?
A:チックは、かつては「心因的なもの」「親の育て方のせい」などとされていたため、
現在でも誤解を受けることが多く、本人や家族は辛い思いをします。
また、不自然な動きや音声には、「変な人」「頭がおかしい人」などの偏見の目が向けられ、
差別を受けたり、心に深い傷を負うような言葉を浴びせられたりします。
Q:チックは患者本人に、どのような影響を及ぼしますか?
A:チックは生活時間を奪い、集中力を低下させます。
身体的ダメージとしては、チックの動きによる疲労やチックを抑えようとするためのエネルギー消耗による疲労が生じます。
また、長年のチック蓄積のため、身体に大きな負荷がかかります。例えば、慢性肩こり、腰痛、疲労骨折、頸椎の神経損傷、局部的な身体損傷(例:口の中の咬傷・鼻のひっかき傷)等があります。
メンタルにおいては、チックがあることで自己肯定感が下がり自信を失いがちになります。
Q:トゥレット症にはチック以外で困る症状はありますか?
A:トゥレット症は発達障害(神経発達症)の1つでもあり、注意欠如多動症、限局性学習症、発達性協調運動症といったチック以外の発達障害を併発することもあります。また、強迫症、怒り発作、不安症、抑うつ、睡眠障害、感覚過敏、不登校といった症状を招くこともあり、QOL(生活の質)が著しく低下し生活自体が困難になるケースも少なくありません。
これらの併発症状は個人差があるため、何を優先して治療をするかは個々で違います。また、そのケアやサポートも個々の特性に応じた対応が求められるため、周囲の理解が不可欠です。